富士精版カレンダー 椿・薬用草木
2018年『薬用草木』カレンダー解説 〜果実がきれいな薬用草木〜
高麗人参、薬用人参、朝鮮人参、これらはいずれも同じものをさしている。地下部が有名な滋養強壮の生薬(しょうやく)で、独特のにおいがあって味ははじめ甘く後に苦い。効果は非常にあらたかで、中国、韓国には愛好者が多い。江戸時代に徳川吉宗が栽培を奨励して以来輸出産品で、日本産は高品質であるとして人気が高いが、近年は栽培農家の高齢化が進み、産出量は少量になってしまった。
Panax ginseng C.A.Meyer
2017年『薬用草木』カレンダー解説 〜薬毒同源・毒にも薬にもなる植物たち〜
最近は鉢植えのジギタリスを園芸店でよく見かけるようになり、園芸植物としての市民権を得つつあるようであるが、もともとヨーロッパで伝統的に浮腫に対して使われてきた薬草である。含まれる強心配糖体成分であるジゴキシン等は近代医薬品として製剤化され、うっ血性心不全の薬として現在でも汎用されているものである。
Digitalis purpurea Linné
2016年『薬用草木』カレンダー解説 〜国内ではあまり見られない薬用植物〜
ダイオウはかなり大型の植物で、花茎が2m、葉の長さが1mを超えることもあるが、花は写真のように小さくて地味である。葉柄を砂糖漬けやジャムにするルバーブと近縁だが、薬用にする種の根茎には下剤の作用と駆瘀血作用があり、がっちりした体型で体力が充実した人向けの漢方処方にしばしば配合される。シンシュウダイオウは、夏の高温多湿に弱いダイオウを日本で栽培できるように育種したもので、現在でも医薬品原料用に日本で栽培されている。
Rheum coreanum Nakai × Rheum palmatum Linné (タデ科)
2015年『薬用草木』カレンダー解説 〜薬食同源〜
肝臓によい、二日酔いの予防に良い、などのふれこみで今やよく知られるようになった薬用植物。利胆作用があるとされるが、日本で汎用される煎じの漢方処方には生薬ウコン(鬱金)が含まれているものは無く、火傷や外傷の化膿防止、痔疾、熱をもった皮膚トラブルなどに使われる“中黄膏”という外用薬に配合される。香辛料としてはターメリックと呼ばれ、カレー粉に含まれているほか、たくあんの色づけにも使われる。花が華やかで長持ちするので、観賞用の品種も多くある。
学名:Curcuma longa L.(ショウガ科)