ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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国際印刷大学校研究報告 第19巻

3今後の印刷メディア産業■年に8兆9千億円の出荷額が2015年には5兆3千億円に減少し、事業所数、従業者数も減少している。又、日本の人口も2017年1億2653万人から2065年には8807万人(中位推定)に減少し、15歳から64歳までの労働人口も7578万人から4529万人に減少していくことが予想されている。この50年間を近似方程式で算出すると総人口の減少と労働人口の減少の割合はほぼ同一直線上でその減少率勾配は労働人口勾配が総人口よりもやや高いことがわかった。これは寿命の延び(100歳時代の到来)が大きな要因とも考えられる。印刷産業のV字回復には産学官の共同研究体制からシンギュラリティ大学(SU)の活用、Society5.0への参加及び未来投資を促進し、多様性のある印刷産業を目指すことが必要不可欠であろう。最近のデジタルファクトリーの論文ではデジタル導入は工場全体を対象として、外部のサプライチェーンとのリンク、経営者の主導、従業員マネージメント教育の必要性を論じている。(5)3, 印刷人財育成日本での印刷及び関連の高等教育機関はすべて無くなり、アジア(韓、中、台)での同機関との交流を活性化させる必要があり、産学交流で印刷分野の革新的人材交流の構築が急がれる。日本商工会議所が専門的・技術的分野の外国人受け入れに関する意見書を関係省庁に2018年2月に要望した。従来までの単純労働者と高度な技術を持った専門職であったが、中間技能人材のニーズが高いことが調査により判明し、新しくそれら人材を海外から求めるための法整備が2019年3月中に完成すると思われる。毎年2月に東京・池袋のサンシャインで開催されるpage展のOpen Eventでは2002年から人財育成、環境、情報セキュリィテイの諸問題につて報告してきた。人財育成に関し、2017年までに12keysをまとめた。日本では人口減少更に若手人材不足に伴う、生産性の低下が印刷産業でも喫緊の課題であり、内外の文献から、2018年のOpen Eventで(13)正直、(14)管理職と現場の良好なコミュニケーションの確立、(15)Entrepreneurshipの3項目を加えて15Keysとした。(6)2018年11月、経済産業省は中国地区等の魅力発信による消費拡大事業を開始した。著者は専門家委員として登録し、各団体からの各種事業に対し、アドバイスや活性化のための研究・教育などをサポートとすることになった。https://hashiwatashiproject.jp/specialist/なお、この事業は2019年2月28日までで、予算が無くなり次第、中止となる。2016年4月の熊本地震の際と同様の消費拡大事業は長崎・本木昌造、熊本・天草版、鹿児島・木村嘉平など印刷の創始を中心とした印刷の歴史を立脚した観光事業を提案し、いくつかの旅行社が対応した。(7)4, まとめ2005年から2014年の10年間にわたり韓国の斗山東亜(株)、現在の東亜出版(株)更に2012年から2017年まで同国の大洋パッケージ(株)の協力により印刷及び関連の研究と教育について調査してきた。これらから印刷メディア系の大学と学会及び印刷企業の数多くの協力で有用な論文を生み出し、世界の印刷国際展(drupa, IPEX, print, IGAS)の参加を含めワールドワイドに展開した。夕方の最終ミーテイングでは韓国産の有名な百歳酒(ペクセイシュ)が毎回、食卓に並び、人生百年時代を先取りし、参加者との討論により、次の研究調査のアイディアを集約し、それらに挑戦してきた。これらの結果、斗山東亜(株)では2010年にG7CMSの認証を得た。2012年9月、本学主催でG7の技術セミナーを東京の印刷会館にてアメリカのIDEA(International Digital Enterprise Alliance)からゲストを迎えてJapan Colorとの比較などを行った。詳細は本学研究報告第12巻で発表した。又、大洋パッケージ(株)ではオフセット枚葉印刷機のインキング装置上部にVOC除去フードを設置し、吸引VOCを活性炭に吸着させ除去、日本の水上印刷㈱では光触媒を利用、