ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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国際印刷大学校研究報告 第19巻

2■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)1, はじめに韓国の東国大学校主催によるInternational Environment Printing Conference, Seoul「2018年11月14日開催」の招待を受け、資料など制作の準備を行った。韓国と印刷メディアに関する学術・文化交流は1980年4月のシカゴのPrint展にてGATF(現、PIA)で日本におけるカラースキャナーのアンケート調査などの発表とアメリカの印刷メディア系大学の視察などを印刷新報(1)に発表した論文(新聞1頁相当)に始まった。その発表論文を読んだ釜山工業専門大学(後に釜慶大学校)印刷工学科主任教授故金成根先生が大学の木下研究室を訪問、更に自宅での歓迎会などから韓国との交流が始まった。1980年から今日まで韓国の大学との交換講座、韓国印刷学会での活動、ユネスコでの直指心体要節の認証、日韓印刷文化交流、斗山東亜でのMDC印刷改善事業(2)など多くの学術・文化活動を行ってきた。一方、九州産業大学では1968年から32年間の勤務で、著書、論文、資料、特許など1,000件以上の研究業績を生み出してきた。同時に全学の役職(教務部長・芸術学部長など)を12年間併任していたため約5万人以上の若者に「印刷メディア」の重要性を教育・指導してきた。2017年1月には国際印刷情報メディア学会(3)(事務局;名古屋市工業研究所)を新設し、教え子の名城大学名誉教授工学博士村瀬勝彦氏が会長として活躍をしている。事務局の同研究所は世界で初めてインクジェット印刷を生み出した研究機関であり、本年、新しくIJの研究所が設立された。なお、2018年には印刷メディア産業の動向(第1報)―労働生産性とリカレント教育―「印刷雑誌7月号」、同(第2報)―人材確保と育成・定着―「印刷センター6月号」にそれぞれ今後の印刷メディア産業の動向を発表してきた。本報告ではこれらをベースとして日本に於ける印刷メディア産業とそれに伴う人財育成についてまとめた。なお、2019年2月6日のpage2019のOpen Eventでもそれぞれの専門分野の講師が同題目で報告した。詳細(4)はHPや研究報告などを参照して下さい。 www.media-igu.com2, 印刷メディア産業の動向近年、全人類が直面している諸問題(環境、エネルギー、食糧、医療、教育、セキュリティ、水資源など)を革新的な技術を用いて積極的に取り組むことを目的として、2008年に、シンギュラリティ大学(SU)がシリコンバレーを拠点として設立され、世界各都市にネットワークがある。世界各国にて幾何学的に進化するAI及びロボット技術などにより、直面している課題を解決することを遂行することにより、爆発的な経済成長がもたらされる可能性がある。日本ではSociety5.0を内閣府が中心として運用されている。狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな経済社会でサイバー空間とフィジカル空間を融合させ高度な生活を営むことの出来る人間中心の社会を目指している。AI,IoT、ビッグデータ等を活用し、経済・社会のあらゆる分野の構造改革を引き起こし、地域・暮らし・現場の課題を革新的技術で解決するとともに潜在成長力を高めて、2020年の日本ではGDP600兆円を目指している。一方、印刷産業はGDPと人口の増大により、成長してきたが工業統計から印刷・同関連業1991木下堯博今後の印刷メディア産業Future of Print Media IndustryAkihiro KINOSHITA