ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻
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国際印刷大学校研究報告 第19巻
16■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)● 今回の内容①: 原画は「墨で描かれた龍」。着色していないが、イメージ醸成をするための同作家の以前の「龍シリーズ」作品・試作品を検討資料として準備する。これらを基にメンバーは印刷設計に取り掛かる。 印刷設計のポイントは、版式・スクリーン・サイズ・用紙・インキなどの選択。 特に、色選択と刷り順設定が大きなポイントとなった。1次選択された内容で、約20点のミニサイズ(A3)を試作、充分な検討の後決定する。●今回の内容②:<原画データ概要>■使用画材;墨■使用アプリケーション;Adobe Photoshop CS4,COREL PAINTER 9■画像スペック;420㎜×297㎜/300dp(i 4961pixel×3508 pixel)4437? ;レイヤー 16種<印刷概要>■印刷版式;オフセット■スクリーン;FMスクリーン20μ■用紙;ベルーラスタースノーホワイト 135㎏■プロセスインキ;三星スーパーロイヤル新KWS YMCK 金インキ;三星スーパMG特上青口ロイヤルゴールド 銀インキ;三星ニューロイヤル極上シルバー マット墨;三星JUPITERマット墨■刷順;「マット墨」?「銀」?「金」?「K」「C」「M」「Y」●今回の成果〇 前回に続き「オフセット版画」の成功今回のプロジェクトによってオフセット版画が完成した。前回は作家側で用意した着色データを基に印刷設計を進めた。今回は「墨」原画を基に色彩設計の主体がプロジェクトチームに委ねられた。各々が主体的に設計し、試作段階での十分な検討が成果を生んだと言えよう。特に用紙の選択・金銀のインク選択、更にマット墨色の刷り順等、今後の印刷設計に大きな成果となった。(社長談)〇「空でもなく宇宙でもない『天』を舞う龍と言う日本伝統の非現実世界を表現してみました」と語る作家藤原ヨウコウ氏も満足している。〇前回の「呱呱②・猫」に続き、十分な意見交換ができる作家と印刷設計者の信頼関係が、今回の成果に繋がった・・・と企画担当としては実感した。●今後の展開緒に就いたばかりの「オフセット版画」の完成度をさらに上げていくためにも、今後もこの企画は継続していきたい。今回の作品の完成で直感した「金箔」の効果的使用等、今後の挑戦テーマは多く有る。●資料提供・取材協力/藤原ヨウコウ(画家)、㈱アート印刷工芸社(木村泰清社長)オフセット版画「呱呱③龍」(サイズ:菊全)