ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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国際印刷大学校研究報告 第19巻

13印刷統計■表3の出荷額差を見ると年々その差は小さくなっている。電子製品製造の額が減少していると考えられる。3 米国の工業統計米国の工業統計はNAICS(北米産業分類システム)によっていて印刷産業はNAICS323商業印刷・関連サービスとNAICS511印刷メディア(出版)に分かれている。2016年版の売上額について表4、表5に示す。表4 商業印刷と関連サービスの売り上げ商業印刷619億ドル(6.8兆円)関連サービス45億ドル(0.5兆円)商業スクリーン115億ドル(1.2兆円)計815億ドル(8.9兆円)商業書籍36億ドル(0.4兆円)表5 印刷メディアの売り上げ新聞225億ドル(2.5兆円)カタログ、名簿75億ドル(0.8兆円)定期刊行物242億ドル(2.6兆円)グリーティングカード46億ドル(0.5兆円)書籍260億ドル(2.9兆円)計848億ドル(9.3兆円)商業印刷と印刷メディアの売上高を加算すると1663億ドル(18.3兆円)になる。日本の印刷産業出荷額には新聞印刷が含まれていないので2.5兆円除いても米国印刷産業の規模は日本の3倍に相当する。米国の統計の取り方は時代に合わせて分類法が変わっている。以前の分類は日本の工業統計のように印刷品目によって分けていたが、2016年版は商業印刷と印刷メディアに大きく二分しそれぞれ細分化している。マルチメディアの時代になり、メディアの売り上げが大きくなり米国経済への影響が大きくなって、印刷メディアはメディアの一分野になったのであろう。印刷の立場から統計値を調べる場合、商業印刷と印刷メディアの両方を調べる必要がある。統計値を時系列で調べる場合、統計の分類法が変わると連続性が失われる恐れがある。2016年の米国統計で興味深いのは商業印刷と関連サービスというタイトルになったことである。印刷産業が印刷物を作るだけでなく、関連サービスをする産業であるという考えの表れであろう。関連サービスの売り上げは44.9億ドル(4900億円)でまだ少額であるが、将来の伸びを見越してのことと思われる。関連サービスについて米国の印刷組合の調査データがある。それを見ると印刷企業の多くが関連サービスを手掛けていることが判る。印刷企業が行っている関連サービスの内容を表6に示す。表6 関連サービスの種類と実施企業製品詰め込み55.4運輸管理32.4郵送管理52.7デジタル資産管理25.7デザイン48.9クロスメディアサービス25.0web to printの印刷43.2データベース保管23.0web to print管理36.5CD/DVDサービス14.9データベース管理33.1デジタル写真スタジオ8.8日本の印刷企業とかなり多岐にわたっている。4 米国印刷組合の統計工業統計は全国規模で正確なことが特徴であるが、分類が大きすぎるので細かい情報が得にく(%)