ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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国際印刷大学校研究報告 第19巻

12■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)電子製品製造は大手の印刷企業に限られるが、印刷関連サービスは中小印刷企業も手掛けている。印刷物を郵送する必要がある場合は、印刷物を刷るだけでなく郵送事務を受け持っていた。最近はサービスの範囲が拡大しているようである。図1の出荷額にはこのような印刷以外の製品、サービスも含まれている。反面、新聞社が印刷している新聞は含まれていない。同じ印刷物であるけれど印刷産業が刷ったものでないので、印刷の統計から除かれている。どの立場で統計値を利用するかによって変わるが、印刷産業の立場から見れば図1で利用した統計値が正解ということになる。2 工業統計産業経済省では工業統計値を発表している。産業別に統計値が発表されていて印刷産業は七つの分野に分けて出荷額、企業数、従業員数が発表されている。表1は出荷額についての統計値である。表1は2007年と2017年の印刷品目の出荷額であるが、2017年では商業印刷の出荷額がトップで包装印刷、出版印刷と続いている。2007年と2017年を比べると出荷額が増加したのは包装印刷と建築材印刷で、減少が大きいのは出版印刷である。表2は工業統計による出荷額の時系列表である。表2 印刷出荷額(工業統計)07 08 09 10 11 1245,400 43,000 40,600 35,800 38,400 -13 14 15 16 1735,800 39,000 39,700 38,700 37,800表2を図で示すと図2になる。図の横軸は西暦年で2007年から2017年まで縦軸は出荷額で単位は兆円である。07年から11年までの出荷額の減少は大きいが2011年以降の減少は横ばいである。傾向としては図1と近似している。次に印刷産業の出荷額と工業統計の印刷出荷額との関連を考えてみる。印刷産業と工業統計の出荷額との差を表3にまとめる。表3 出荷額差西暦07 08 09 10 11 12 13 14 15差2.7 2.6 2.3 2.3 1.9 - 1.6 1.6 1.4工業統計の出荷額は印刷物製作による生産額であり、印刷産業の出荷額は印刷物製作を含めた全てのものであるからその差は印刷物作成以外の電子製品と関連サービスによるものと考えられる。関連サービスは表1のその他に含まれるかによるが、含まれるとすれば出荷額の差は電子製品によるものと考えられる。表1の統計値は従業員100人以上の印刷企業のものであり、出荷額には中小企業の分が含まれていない。印刷産業の出荷額には全ての印刷業の出荷額が含まれているので、従業員100人未満の企業の影響を考えなければならない。しかし従業員100人未満の企業数は多いが出荷額への影響は多くないと思われる。(単位:億円)(単位:兆円)表1 印刷出荷額(百人以上の企業)2007年2017年出版印刷14,300 6,563商業印刷14,870 14,261証券印刷560 550事務用品5,570 5,460包装印刷5,790 7,437建築材1,680 1,717その他2,600 1,767計45,370 37,755(単位:億円)5432007 2010 2015西 暦出荷額(兆円)(年)図2 印刷出荷額(工業統計)