ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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概要

国際印刷大学校研究報告 第19巻

10■国際印刷大学校研究報告第19巻(2019)そして、その分析結果を研究することも印刷会社の仕事にする必要がある。すなわち、印刷物の色調管理から、工程中の色調管理の自動化、また印刷物を自社製品の拡販に利用している会社の売り上げ向上の効果を理解し、その会社のMISへの利用まで多角的に研究するのが、デジタル時代の拡販印刷物を作成する印刷会社の仕事である。現実の作業では、印刷物作成のワークフローは、企画、デザイン、DTP、校正、セットアップ、生産、自動管理、後処理の自動化を総合管理するスマートファクトリーにしなければならない。3.印刷会社の優位性長年研究されてきた紙メディアそのものは電子メディアなど他のメディアにはない特長も持っている。すなわち、紙媒体は 他の媒体より、人間の感覚、知覚、認知との親和性がすぐれているし、紙メディアでなければならない領域もあると言われている。元印刷学会会長の尾鍋史彦氏の印刷学会創立90周年記念講演会での講演によると、紙メディアでなければならない領域には次のような領域があると報告している。1)ジャーナリズムの世界2)初等教育の世界3)学術研究における世界4)感性の表現の世界5)紙幣という実体の世界6)宗教の世界7)造形芸術の世界そして、これらはデジタルではどうなるのかは不明であると報告している。世の中がデジタル時代になり、情報がスマホ端末で利用されるようになって、情報媒体も紙、テレビ、スマホ、になり、無限の数の情報提供形式が実用されるようになったが一方で、すべての媒体上の画像の品質の標準化は不可能になり、印刷物品質中心の印刷会社の優位性を保持することが困難になった。もちろん長年の歴史を持つ印刷技術者が最高の画像処理能力者であり、印刷会社こそがこれらの情報処理の最適任者であることは当然である。次号にて印刷会社のマーケティングの方向性の具体的検討ポイント、関連するハード、ソフトや実際例の報告をする。