ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第19巻

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国際印刷大学校研究報告 第19巻

9デジタルマーケティングの研究?第二報■1.はじめに印刷会社のマーケティングの必要性前号で、インターネット環境やスマートフォンの普及で、IoT(モノのインターネット)時代が到来して、ビッグデータの解析やAI((人工知能)の利用で、個々の顧客に対して、One to One(1対1)に近いマーケティングが可能になったことを報告した。しかし印刷会社は消費者へ直接製品を販売していないので、消費者の自社製品への感想を理解把握できず、販売努力のしようがない。このようなデジタル時代に印刷会社はどうゆう分野に参入すべきかについて方向を探している現状である。そこで、多くの印刷会社は、新しいデジタル時代、すなわち、高品質、小ロット、オンデマンドに対応するため、とりあえず、オフセット印刷から、デジタル印刷機に設備の変革を進めている。具体的には、電子写真方式(トナー)、インクジェット(IJ)方式の印刷機で、枚葉、輪転を採用して従来業務の減少に対応しようとしている。印刷品質でもオフセット並みの高品質で、銀インク、オレンジ、ピンク、白などの特色にも対応して、機械の大きさもB-1サイズの大判も実用され、印刷スピードも時速5000枚以上が可能になった。2.印刷会社のマーケティングの方向性(印刷物のコンテンツの内容、利用方法は?)AI時代における印刷メディア、印刷技術のあり方今から20、30年後に人口知能(AI ; Artificial Intelligence)が人間の知能、科学、経済の将来予測研究よりも進むようになるであろうと言われている。印刷物は古くから、人間に必要な情報、知識のための主たる媒体であった。印刷会社が印刷物を作る際に、情報のデジタル化によって、AIを利用して印刷工程の自動化、校正の自動化、など印刷物作成の合理化が可能になったが、その印刷物が最終的に人々の幸せに貢献するかどうかまでを考える必要が求められる時代になった。ということは、印刷物色調管理についても、校正刷の色調と本刷の色調のマッチングだけでなく、印刷物を発注するお客が、その印刷物を利用して、自社製品の拡販のための宣伝に役立つ色調になっているかまで対応することが求められるようになった。千年も前から印刷物は、聖書や経本のような人間の心の豊かさを支えるためのものでもあった。これからも、科学や経済分野の先端技術を発展させていくために、いくらAIが進んでも人間の精神的な豊かさのためのシンギュラリティー(Singularity)のためには、人間の創造力の方が人類のためになることは明白である。ただし、人間の、文明の進歩や科学の進歩のための研究は、インターネットを利用した、 Facebook、Twitter、Wikipedia などのビッグデーター解析の力を十分に利用する必要がある。田中 崇デジタルマーケティングの研究?第二報Studies on the Digital Marketing in Print media Industry Part-2Shu TANAKA