ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第18巻|富士精版印刷株式会社 FUJI SEIHAN PRINTING Co.,Ltd.

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概要

国際印刷大学校研究報告 第18巻

26■国際印刷大学校研究報告第18巻(2018)印刷メディアの人財教育と国際化対応などについては、今日までの活動記録などをもとに第1、2報に続いてまとめた。IoT,AI,ビッグデータ、ロボットなどの活用は今後、5G導入とともに、日本の産業の中心的役割を果たすようになり、生産性向上がもたらされる。未来投資戦略2017では第4次産業革命を推進することが決定し、日本各地で研究会及び実践報告がなされている。2017年6月2日にはIoTビジネスモデル先進事例の報告があり、印刷メディアに関連する分野として、IoTデータ解析、通信プラットフォーム、IoT情報処理、ドローン活用などがある。又、具体的には病院内患者の見守り管理、ハウス栽培の諸管理などIoTにより成果を挙げている。IoTは2011年から10年間で約5倍以上に拡大し、近似式を算出すると指数函数的に将来増大することが予想される。更に、McKinsey 報告(2015)ではIoTの経済効果は世界で1,336兆円(2025)と推定され、内、工場での活用が、444兆円(33%)を占めている。IoT導入に際しては個人情報保護法などの法的環境を十分理解することが重要であり、更に、プライバシー(P)マークの取得も必要であろう。印刷企業では印刷工場、デザイン・DTP /製版、管理部門、サーバー室などの温湿度、オフセット、グラビア工場のVOC放散量、湿し水・版面温度と印刷色彩など諸管理をCCDカメラとセンサーを活用し、一括管理で各自のスマホなどで「見える化・共有化」を計り、自動化・ロボット化でKPI管理のスマート無人印刷工場を目指すことが目標である。そのための計画やデータベース構築のために、あえてIoPT(Internet of PrintingThings)と命名し、更に、自動化と雇用の確保及び人財再教育に関しても、カリキュラム構築で対応可能な調査研究を新学会(国際印刷情報メディア学会)と国際印刷大学校とで開始した。Ⅳ、本木昌造142回忌と印刷メディア教育期日:2017年9月1日、場所:大光寺(長崎市鍛冶屋町5-7-4)本木昌造142回忌が2017年9月1日、長崎市の大光寺(写真1)で執り行われた。日本の印刷メディア教育機関は本木昌造による「活版伝習所」(写真2)が1869年(明治2年)に設立され、ウイリアム・ガンブルから活字鋳造及び組版の指導を受け、近代印刷が始まった。1881年(明治14年)東京職工学校設立から幾多の変遷を経て、1949年(昭和24年)千葉大学工学部工業化学科印刷学専攻として大学での印刷教育が開始された。2015年9月3日、本木昌造140回忌が長崎の大光寺で行われ、120回忌での本木昌造博物館建設提案から20年間、世界の印刷博物館の調査結果と、昨年の2016年9月2日の本木昌造141回忌では長崎県印刷工業組合に保管されていたアルビオン型手引き印刷機を福岡市の㈲文林堂山田善之氏が中心となり復元し、いずれも印 写真1 本木昌造墓碑 写真2 活版伝習所跡