ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第18巻|富士精版印刷株式会社 FUJI SEIHAN PRINTING Co.,Ltd.

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国際印刷大学校研究報告 第18巻

20■国際印刷大学校研究報告第18巻(2018)石原由紀夫OSSによる画像比較検査サーバーの構築Building of a picture comparative check server by OSS:ReportYukio ISHIHARA1. はじめにデジタル検版作業を行うため幾つかの検版システムを導入してきたが、どれも一長一短がある。特に専用端末の前に移動して検査するものと検査されるものの画像の位置指定などを行う必要があり効率が悪いと感じていた。これを解消するためにサーバー版の検査システムを検討したが利用者数の制限があったり価格が高価であることで導入には二の足を踏むこととなっていた。そこでApple社のMac(unix)ベースでOpen-source software(OSS)を利用したサーバー版の画像比較検査システムを開発することにした。2. 仕様(1)市販の画像比較検査と同等の比較検査精度画像比較検査では比較元と比較先を重ね合わせると元画像作成上の計算誤差から数ドット分合わない所が出てくる。この部分は検知してはいけないが検知すべきところは必ず検知しなければならない。(2)市販品と遜色のない比較検査結果の表現比較元を赤色、比較先を青色で表現して重ね合わすと違いのある部分が原色になる表現や違いのある場所を赤囲むなどの様々な表現を可能とする。(3)面付け画像へも対応する1丁編集後、印刷するために多面付けを行うが、それぞれを自動的に検査して間違いがないか検知する。(4)専用端末を利用しないネットワーク上で処理を完結させるVPNを使った社内ネットからプラットフォームを選ばない利便性を確保したい。逆に特別なことをすると利用者端末にセットアップ作業をする必要が出てくるので面倒。(5)開発は低予算で行う以上を満足させる方向でシステム構築を行った。3. システム開発プラットフォームは生産性が高く、多くのユーティリティが揃っているUNIXシステムをもつApple社のMacProをベースにすることにした。編集で使用していた3.2GHz Quad-core IntelXeonに16GBメモリーのものが有ったので利用した。2014年に最初のバージョンの開発が完了した。その後1?2年ごとに内容を見直してハード・ソフトの改善を行っている。開発費用としてもOSSを利用しているので非常に低く抑えられている。4. 基本的なアルゴリズム(1)1丁編集のトンボ・アタリの内側を切り取る:A画像(2)比較先画像と同じ大きさで何も描かれていない画像を用意する:B画像