ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第18巻|富士精版印刷株式会社 FUJI SEIHAN PRINTING Co.,Ltd.
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国際印刷大学校研究報告 第18巻
9デジタルマーケティングの研究■5年連続で前年を上回ったと報告しているが、出版科学研究所の報告では、雑誌広告は2,200億円程で、前年より10%も減少していると報告している。一方、出版社のデジタルメディアの広告は二桁の成長をしていて従来の出版コンテンツとデジタルメディアの融合が加速していると報告している。世界の大手メディア企業であるドイツのアクセルシュプリンガー社でも、2016年の収益の70%はデジタル、オンライン商品になったと公表している。3、デジタルマーケティングのためのコンテンツ編集デジタルマーケティングに利用される商品情報は、顧客への商品情報の提供や顧客の興味調査だけでなく、商品が売れ続けるようにする販売増大のための情報である必要があると言われている。そのためには、印刷会社は情報を評価、識別しやすいようにするための、編集デザイン、画像処理技術を持つ必要がある。『メディアリテラシー』すなはち、製品やサービスに関する意見、また、購入意向などを調査分析するための『多変量解析』の研究が必要である。これによって、顧客の目標である、広告目標、広告予算、媒体選択、広告効果の評価の資料が提供でき、顧客の販売増大方策を支えることができる。もちろん、画面デザインには、公的デザインツールである、印刷業界印刷品質基準『ジャパンカラー』や日本雑誌協会規定の『JMPAカラー』に基ずく、InDesignなどのツールを使用することが前提になる。4、デジタルマーケティングのための情報送受信、購入、配送環境デジタルマーケティングのための環境には、デジタルデータを送受信するための環境とそのデータを使って物や講座を購入、受講するシステム環境がある。デジタルデータを送受信するための環境には、世界的にWWW(World Wide Web--インターネット)があり具体的には、FacebookやTwitterが利用されている。これらの世界的経済活動の情報は、非営利団体であるウィキペディアが運営する、百科事典、ウィキペディア(wikipedia)で無料にて検索することができる。マーケッティング、マスメディアに関する市場調査については、アクセルシュプリンガー社のWWW利用の『EMarketer』から調べることができる。また、物や事柄を販売、購入、学習するデジタルシステムは、世界的にアマゾンがリードしているが、日本でも20、30年前から始まった大和運輸を中心とする宅急便が急成長して、あらゆる商品が通信販売になり、イオンなどの販売ネットを含めて営業は国際化もしている。5、まとめ印刷会社のデジタルマーケティング対応について解説したが、当報告のような仕事は、印刷会社よりも、情報処理会社が得意とする分野であろう。しかし、印刷会社は数百年の間、文字、写真、図版の印刷の美しさ、読みやすさや情報の取り扱いの便利さを追求してきた。このような技は媒体が変わっても十分発揮できるもので、印刷会社の新分野進出の競争力になるものである。そして、これからも永久に続く、各種多様な品質の紙を利用する、多彩な印刷物は、電子媒体や映像媒体よりも数百倍もの長期保存対応力とあいまって、今後も発展して行くことは必然である。