ブックタイトル国際印刷大学校研究報告　第15巻

概要

国際印刷大学校研究報告　第15巻

階調値■３．階調値網点（AM）印刷物の網点面積率を求める方法に網点面積率計をA=100×使って求める方法と印刷物の濃度を測って濃度値から網点面積率1-10を計算する方法がある。その一つの式は（３）の式である。A：網点面積率、Do：印刷用紙の反射濃度、Ds：ベタ刷りの反射濃度、Dt：印刷物の反射濃度上の式は網点印刷物には適用できるが、網点の形がないFM印刷物では適用できない。しかしAを網点面積率と考えないで印刷インキで覆われている面積％と考えればFM印刷にも適用できる。（３）式のAを階調値と定義する。新たに決めた階調値は網点印刷物の網点面積率にほぼ等しいもので網点面積率と考えて使用することができる。しかし正確には印刷物内における光の拡散を考慮したユールニールセンの式があるが式が複雑なので（３）式を使用している。FM印刷物には網点面積率に相当するものがないが、階調値Aを使用すれば網点面積率と同じように使用できる。従来ドットゲインという用語で印刷時の網点の太りを表していたが階調値の使用を前提とするとドットゲインの用語は廃止にして階調値増加という用語をそれに代えることにする。網点面積率が５%増加したのではなく階調値が５%増加したと頭を切り替えて解釈すべきである。３式の階調値Aは印刷物だけでなく印刷版にも使用できる。またファイルに記録される階調値Aは次のように決められている。Vp：画素の整数値、V0：階調値０に相当する整数値、V100：階調A=100×Vp-V0…（４）値100に対応する整数値。1-10-（Dt-Do）大抵のファイルは８ビットの整数値を使っているので、0?255の整数値で4式を使って計算する。同じように４色印刷の網点面積率の総和という用語を廃止にして階調値の総和という用語に代える。-（Ds-Do）V100-V0…（３）４．階調値の使用例ISOでは階調値を使って印刷物品質の基準値、許容値を示しているがその例をいくつか挙げてみる。4.1限界階調値印刷で再現できる最小の階調値、最大の階調値を印刷方式毎に規定している。◯オフセット平版印刷・コート紙、2%?98%（線数60?80線、ドットサイズ20μ）・非コート紙、4%?96%（線数60線、ドットサイズ30μ）FM印刷では線数の代わりにドットサイズで表す。◯新聞印刷（コールドセットオフセット印刷）…3%?95％◯フレキソ印刷規格では具体的な数値を決めていないが製版者と印刷者との間で決める。スクリーン印刷で要求される限界値（参考）スクリーン線数溶剤インキ水性インキUVインキ水性UVインキ2010?9010?905?9510?904020?8020?8010?9015?85スクリーン印刷で推奨される限界値（参考）スクリーン線数溶剤インキ水性インキUVインキ水性UVインキ206?956?953?965?944010?9010?908?9210?907