ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第15巻
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国際印刷大学校研究報告 第15巻
印刷画像の定量解析(Ⅱ)―クベルカ・ムンク理論式の導出―■となるのであるから、厚さdxの間の光量の増え分diは、di=(S+K)idx?Sjdx………(1)同様に厚さdxの間の紙の表面に向かう光量の増え分djは,その間に後方に散乱し、吸収される光量と、下に向かう光の後方に散散乱係数?乱する光を足したものであるので、dj=?(S+K)jdx+Sidx………(2)で表される。(1),(2)式の両辺をdxで除すとdi/dx=(S+K)i?Sj…(3),dj/dx=?(S+K)j+Si…(4)となる。(4)式をさらにxで微分すると、d 2 j/dx 2 ?(S+K)dj/dx+S di/dx…(5)となる。この式に(3)と(4)を代入し、整理すると、d 2 j/dx 2 ?(2SK+K 2)j=0…(6)図2光の進む方向散乱係数Sの概念図となり、jに関する2階微分方程式となる。この形式の微分方程式の一般解は、C 1,C 2を積分定数とすると、jは、j=C 1 e2SK+K 2 x+C 2 e2SK+K 2 x…(7)となる。iは(4)式に(7)式および(7)式を微分した式を代入することにより,S+K+ 2SK+Ki=C 22SK+K1 e2 xS+K? 2SK+K+C 22SK+K2 e2 x…(8)Sが導かれる。次にx=Xの時i=I E,x=0の時R x=R gの二つの境界条件より、積分定数C 1,C 2を求め、a=(S+K)/S,b=a 2? 1と置いて整理すると、R X=J1?Rg1(a?b coth bSX)e E / I E=a+b coth…(9)(ここでcoth t=t +e ?t)bSX?Rge t ?e ?t上式は、反射率がR gである下地の上に置いた厚さXの紙表面の光反射率R Xを表す式である。上式により紙の散乱係数Sや吸収係数Kを算出するには、図3には透明フィルム上にベタ印刷したインキ膜の場合を示したが、同様に、反射率の異なる(R g1,R g2)二種類の下地の上に置いた厚さXの紙の反射率をそれぞれ(R 1,R 2)とすると(9)式はそれぞれ、R 1=1?Rg1(a?b coth bSX)…(10)a+b coth bSX?Rg1R 2=1?Rg2(a?b coth bSX)…(11)a+b coth bSX?R2gこの二式よりcoth bSXを消去することにより係数aが求まり、a=(R1?Rg1)(1+R2Rg2)?(R2?Rg2)(1+R1Rg1)(R1?Rg1)(R2+Rg2)?(R2?Rg2)(R1+Rg1)S…(12)となる。aが求まれば、b=a 2 ?1よりbが求まる。(10)式より、散乱係数Sは、1S=coth ?1…(13)bX1+R1Rg1?(R1+Rg1)ab(R1?Rg1)透明プラスチックフィルム白色下地インキ膜透明プラスチックフィルムとなり、吸収係数Kは、K=S(a?1)より求めることが出来る。塗料のように、膜厚が厚く、反射率が膜厚にも下地にも影響されない色材層に対しては、?????インキ膜透明プラスチックフィルム白色下地??=?-??? ??-?????????? ??+??????????-??????透明プラスチックフィルム黒色下地??インキ膜透明プラスチックフィルム黒色下地??=?-??? ??-?????????? ??+??????????-???図3透明フィルム上に印刷したベタ印刷の場合の、二種類の下地の上に置いた厚さXのインキ膜の反射率3