ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第15巻

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国際印刷大学校研究報告 第15巻

■国際印刷大学校研究報告第15巻(2015)手塚博昭スマートフォンへの印刷技術(PE)の応用Printed Electronics application to SmartphoneHiroaki TEZUKA1.はじめに日本における近年のスマートフォンの普及は著しい。地域や年代によっても異なるであろうが、例えば都心に於いて通勤時間帯に車内を見回すと、7?8割の人々がスマートフォンを利用していると言っても過言でないであろう。携帯電話を取り巻く情勢はスマートフォンの登場で激変した。従来の携帯電話(フィーチャーフォン)に比べて格段の多機能型のスマートフォンはその名のごとくスマート(賢い)フォン(電話)で「賢い(携帯)電話」である。パソコンの機能を持った携帯電話である。今までの携帯電話と全く違った進化をし、人々の生活を一変させた。パソコンの機能を携帯電話に入れて、手軽に持ち歩きながらネットワークを活用出来るようにしたのがスマートフォンである。スマートフォンでは多くの技術革新が計られているが、その中で大きい特徴はタッチパネルがある。画面上に表示されたアイコンやボタンに指でタッチするだけで入力出来るなど、直感的に操作出来るため、コンピュータに不慣れな人でも使い勝手が良いのが特長である。スマートフォンは国内のみならず世界中でも市場が急拡大している。2007年に発売されたアップル「iPhone」によってスマートフォン市場は本格的に爆発的に急拡大した。又、スマートフォンの拡大に伴い関連産業の視界を一変させつつある。世界市場における携帯電話販売台数に占めるスマートフォンの比率は、2011年は約27%に達している。スマートフォン比率は今後拡大し、2015年には世界市場において5割を超える見通しとなっている。また、スマートフォンの販売台数は、2011年の4億7,000万台から、2016年には13億台に、年平均22.5%での成長が予測されており、高い成長が見込められる有望市場であるこが示唆されている。(総務省平成24年情報通信白書)Apple社「iPhone」を始め、中国等の新興国製のスマートフォンは新たな熾烈な競争時代に入った。「薄型化」、「軽量化」、「小型化」に加えて「低価格化」に直面している。そこで、従来の製造プロセスを見直す動きが加速している。それが印刷技術を応用した「印刷エレクトロニクス技術」すなわち、「プリンテッドエレクトロニクス技術(PE)」である。PE論について、「国際印刷大学校研究報告第13号」を参照して下さい。2.スマートフォンへのプリンテッドエレクトロニクス技術応用2.1スマートフォンの構成iPhoneをはじめとするスマートフォンはパソコンに近いと言われているが、求めている技術レベルは段違いにスマートフォンのほうが高い。パソコンに近い機能をノートパソコンの1割程度の容積に詰め込み、さらにその中にバッテリースペースを設け、同じくノートパソコンの1割程度の容量のバッテリーで、数日間、稼働させなくてはならない。省エネ、省スペース、小型で高性能など、高い技術レベルが要求されている。18