ブックタイトル国際印刷大学校研究報告 第15巻

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国際印刷大学校研究報告 第15巻

■国際印刷大学校研究報告第15巻(2015)*木下堯博、谷脇栗太印刷産業発展のための人財育成Staff Education for Development of Printing Media IndustryAkihiro KINOSHITA & Kurita TANIWAKI*1.はじめに「インターンシップ制度の印刷企業への導入事例」1)の題目で、著者らは日本印刷学会第132回秋季研究発表会(京都工芸繊維大学、2014年11月21日)に、ポスターセッションで報告を行った。会場での討論では㈱サンエムカラーがインターンシップ制度を導入し、2014年8月下旬の2週間の実習中、参加学生9名が各自の愛読書のブックカバーをデザイン、制作した作品に話題が集中した。今回のインターンシップではテキスト製作や京都市内の各大学などの協力のもと、デザイン、DTP,製版、印刷、加工などのオフセット印刷の一連の工程を学生が理解し、全社員の協力により、offJT, OJTともに120%以上の成果を挙げることが出来た。詳細は国際印刷大学校のHPから「インターンシップ導入」を参照してください。政府の主導により、2016年からの採用スケジュールが「就活の後ろ倒し」となり、インターンシップの期間が夏休み、冬休み、春休みと8月から3月までの長期間となることが予想され、企業側と学生側ともに、インターンシップの重要性が一層拡大してきた。2)本稿ではインターンシップを中心として、印刷産業界を発展させるための人財育成を目標とし、2009年から継続しているジョブカードなどと合わせて報告する。2.印刷メディアの教育と研究印刷教育界では、印刷メディアに関する教育や研究を行う高等教育機関が消滅してしまった。全国レベルでは過去10年間で1994年に同学科の344名卒業(116名印刷及び関連企業に就職)、2007年では154名卒業(4名印刷関連就職)、2009年以降はゼロとなった。3)これに対処して、海外の印刷メディアを教育・研究する大学からの採用を考慮する必要があろう。日本から近くの大学では韓国・釜慶大学校、中国・北京印刷学院、台湾・中国文化大学などがあり、学会や研究会などで交流をしている。2015年大卒の就職内定率は厚生労働省、文部科学省の調査(2014年10月)で68.4%(前年同期比4.1%増)であるが、首都圏と地方とは15%の開きがあった。4)地方の中小企業でも独自の技術や商品開発に取り組み、海外ビジネスにも挑戦する意欲的企業もある。印刷企業も自社の魅力を積極的に発信していく必要があり、インターンシップによる就業体験を増やして、学生との積極的交流が必要であろう。日本印刷学会では大阪を中心とした西部支部、名古屋を中心の中部支部があり、印刷メディア関連の新商品、新技術開発などの発表も行っている。2014年、中小企業庁によるものづくり助成が行われたが、多くの印刷企業が採択され、設備投資により、新しい印刷技術にチャレンジしている。この助成申請には従業員の教育や訓練に企業として多額の経費を投入することが条件になっている。従業員の教育とキャリアパス構築などが重視される。3.ジョブ・カードとインターンシップ東京グラフィックサービス工業会は厚生労働省が所轄するジョブ・カード(JC)制度を印刷界に10