ブックタイトル品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社
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品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社
製本加工のトラブル事例■製本工程でコスレ汚れ製本加工のトラブル事例4【キーワード】コスレ汚れH-UV印刷油性印刷ネジの緩み照度基準■事故内容お客様に持参した中綴じ製本のサンプルより、本文のコスレ汚れを発見。全数検品を行う。■処理内容ロットナンバーから、製本の途中からコスレ汚れが発生したことが判明。検品の結果、60,000冊のうち44,000冊が不適合と判断して刷り直す。■損失金額1,090,700円■原因1ステッチ部から三方断裁までのせりあがり部の間隙固定ネジが緩み、圧が掛かり、途中からコスレが発生した。前の作業から本の厚みが変わったため、間隙の調整を行った際に、ネジの締め不足で緩みが発生した。2表紙台と本文1折りの表面は、ベタ部が多いため、H-UVで印刷。本文1折りの裏面は油性インキで印刷。製本オペレーターは表紙と1折りのベタ部分だけを確認して、コスレがないと判断した。チェック・判断が甘かった。3中間チェックを行った際、照明が暗かったためにコスレ汚れを発見できなかった。■再発防止策1ネジ締め忘れ防止の徹底。各場所に注意ポスターを貼り、注意喚起を行う。昼休憩前・昼夜交替時には必ずネジ緩みチェックを行う。2生産管理では、印刷・加工の担当者が印刷方式がH-UVか油性で印刷なのか情報を共有した上で、製本工程に明確な情報提供をすること。油性で印刷の場合には、コスレ防止など注意喚起を行わなければならない。3製本チェック場所の蛍光灯を増やし、350ルクスから600ルクスまで明るくした。これによってコスレが鮮明に発見できる環境となる。※JIS Z9110-2010に定める照度基準では、「一般の製造工場の普通の視認作業」は500ルクス以上と定められている。300ルクスは、「倉庫内の事務」であり、チェック作業(視認作業)まではカバーしていない。デジタル化によりグラフィック表現も繊細かつ複雑になっている。JISの照度基準の改正以前は、300ルクスでも許容範囲だったが、あらためて作業環境を見直したい。なお印刷工場は「極めて細かい視作業」とされ、750ルクス以上が必要である。Total Quality Control 365days 089