ブックタイトル品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社
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品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社
第2部印刷トラブル事例集■ブロッキングによる事故枚葉印刷のトラブル事例9【キーワード】特殊紙非塗工紙ドライダウンブロッキングCMYK合計値■事故内容バースデーカード(2ッ折)を印刷・加工して納品。しかしお客様より「黒い汚れがある」と連絡。全数検品の結果、半数以上が不良品であった。■処理内容社内で検品を行った結果、定数200,000部のうち107,000部が不良で刷り直しとなった。■損失金額957,600円■原因1用紙はアラベールホワイト(特殊紙・非塗工紙)。インキのドライダウンが大きい非塗工紙であるところに、お客様の要請でインキの盛量も多かった。アラベールホワイトなどの特殊紙やダル系の用紙は乾燥にも時間がかかり、用紙の重みでもブロッキングの発生となる。ブロッキングが発生しやすい悪条件が重なった。2印刷オペレーター、工場責任者ともにブロッキングを警戒してパウダー量を最大まで増量したが発生を防ぐことができなかった。3デザインも表面が薄い平網、裏面は4色掛け合わせのベタが多い写真で、条件も悪かった。■再発防止策1ブロッキングとは、重なった紙同士がくっついてしまう現象をいう。インキが乾く前に紙を重ねることで、色濃度の濃いデザインはブロッキングを起こしやすい。営業・デザイン・プリプレスの担当者は、用紙の選定段階から印刷・加工担当者と情報を共有してほしい。非塗工紙(上質紙含む)やマットコートは、乾燥が遅く、ブロッキングを起こしやすい。2お客様にH-UVシステムでの印刷を提案してトラブルを防ぐ。やむをえず油性インキで印刷する場合は、板割は積み数を少なくして、ウエイトが掛からないように配慮する。乾燥には時間をかけ、早期の移動をしない。3コート紙ではCMYKのインキ合計値は350%以内(カラー設定:Japan Color 2001Coated)、マットコート紙や上質紙などでは310%以内(カラー設定:Japan Color2001 Uncoated)が原則である。しかし用紙の特性やデザインによっても異なってくる。企画・デザイン段階、プリプレスの色校正段階のチェック体制を強化する。060 Total Quality Control 365days