ブックタイトル品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社

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品質管理365日・第6集--短納期・低コスト・デジタル時代の印刷トラブル対策事例集::富士精版印刷株式会社

第2部印刷トラブル事例集■無線綴じ冊子の波打ちがクレームに印刷営業のトラブル事例10【キーワード】輪転印刷波打ちボコつき梅雨湿度■事故内容製本・納品までは、本の波打ちはほとんど見られなかった。しかし最終クライアントがクラフト包装を開けて店頭に陳列した際に、波打ちがひどくなりクレームとなった。■処理内容お客様(企画会社)と協議して、双方負担で製品を作り替えた。カタログ本文は輪転機で印刷したが、刷り直しは波打ちの発生しにくい枚葉機での印刷に切り替えて行った。■損失金額1,047,110円■原因輪転印刷はインキを急速乾燥させるために、170℃~220℃の熱風により溶剤を飛ばす。この影響で、紙面温度は110℃前後にもなり、用紙に含まれる水分まで少なくなる。製本後に乾燥した用紙に水分が吸収され、本の天地、小口に波打ちが発生する。今回のケースは、梅雨時期など高湿環境下でよく発生する現象であった。急速乾燥したカタログが湿気を急激に吸収したのが原因である。紙は湿度に敏感だ。印刷業界ではこの現象は輪転の特性として認知はされているが、一般ユーザーには認知されていない。前回までは他社で枚葉印刷にて対応していたため、クレームにならなかったものである。お客様(企画会社)と当社営業との基本的な打ち合わせが不十分で、最終クライアントへの説明不足が大きなクレームに発展した。■再発防止策枚葉印刷か輪転印刷か、製品の要求度に応じた印刷方法の選択を行わなければならない。輪転印刷は低コスト・短納期で大部数を印刷できるメリットがある反面、デメリットもある。170?220℃の熱風をかけて乾燥させるため、ブリスター(火ぶくれ)・火じわ(波状のしわ)などのリスクについて、まず営業担当者・生産管理担当者が理解することが重要である。納品直後の波打ちを起こしたカタログ。時間が経過すると紙の伸縮によって波打ちは目立たなくなってゆく。030 Total Quality Control 365days