ブックタイトル品質管理365日──事故はかくすな。正直に報告し、原因を追究せよ(石川 忠)│富士精版印刷株式会社
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第6章テクニカルレポート「常温ワンウェイシステム」◆「常識」という固定観念を打破するとは今回の眼目は、水を「循環させない」ことだから、水船に新たに3本のセンサー(オプション)を設置して水溢れの防止策を講じたという。若林製造本部長は、「機長はいずれも10年以上のベテランです。印刷品質を判断する能力にかけては問題はない。あとは、汚れの出ない限界ギリギリの水目盛をコンスタントに設定できるかどうかでした」。一般的にオペレータは、汚れを恐れるあまり水の量を多めにしがちだという。その結果、水とインキのバランスが崩れてしまうことになる。「今の印刷機は、ハードもソフトも格段に進化しているのだから、メンテナンスをきちんとやり、とにかく水を絞るという基本を忠実に実行すれば、いいものが刷れますよ」。その言葉通り、今回、常温でも思い切って水を絞ることで、インキ濃度もしっかり確保した高品質の印刷を実現した。さらに、高精細のFMスクリーンにも問題なく対応できているとのこと。印刷機の進化と言えば、同社OBで、半世紀にわたって同社の印刷技術の向上に中心的な役割を果たした元専務の岡田忠員氏の回想録『印刷修行50年の道』に次のような一節がある。少し長いが引用する。『印刷機械にはインキを供給するコントロール装置はそれなりに備わっているが、印刷上で一番物性的に扱いにくい資材である水のコントロール装置が曖昧なのが不思議でならない。現在では水棒中央部の過剰な水を調整するため、ヒネリ装置や吹飛ばしが付き、多少コントロールができるようだが、それでも精度に限度がある。最近、機械メーカーも中央部の過剰水が出合い見当や水抜けの原因と理解されるようになった。今後更に水のコントロール装置が向上していけば、このような問題も減少していき、解消するであろう』オフセット印刷機の常温ワンウェイシステムによる環境対策092 Total Quality Control 365days