ブックタイトル白描源氏物語│富士精版印刷株式会社

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概要

白描源氏物語│富士精版印刷株式会社

藤壺の女御を忘れることができないのでした。元服した光の君は、左大臣家の葵あおいの上うえと結婚しますが、高こ麗まう人どの不思議な予言もあり、源氏の姓を与えて臣下の身分となさいます。それは争いを深めるだけのかなわぬ望み。東宮(皇太子)に立てたいとお考えになるのですが、さて、帝は桐壺更衣の忘れ形見の光の君をこそ、光の君も母君に似たという藤壺の女御をお慕いになります。桐壺更衣に生き写しの藤ふじ壺つぼの女御をお迎えになりました。帝はたいそうお悲しみになり、若くして亡くなってしまいます。周囲の迫害にたえきれず、桐壺更衣は病になり、後宮の女性たちは嫉妬と憎悪を深めるばかりでした。第一皇子の母・弘こ徽き殿でんの女御をはじめ、美しい玉のような光の君までお生まれになると、ほかの女にょ御うごや更衣たちはおだやかではございません。帝の寵愛この上ない更こう衣い(桐壺更衣)がございました。どの帝の御代でございましたでしょうか。藤壺の女御にご覧いただきたくて、贈り物になさいます。光の君は幼心に、ちょっとした春の花・秋の紅葉も、心ざしを見えたてまつり。紅葉につけても、をさな心地にも、はかなき花・桐第一帖壺きりつぼKiritsuboしげいさ●女御・更衣後宮(帝の寝所)に仕える女官。更衣は女御の次位。●桐壺後宮の淑景舎の別称。帝が日常生活を送る清涼殿からは最も遠い。●藤壺同じく飛香舎の別称。弘徽殿と同様に、位の高い后妃の御殿。せいりょうでんひぎょうしゃ8