ブックタイトル白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
- ページ
- 6/38
このページは 白描源氏物語│富士精版印刷株式会社 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 白描源氏物語│富士精版印刷株式会社 の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
白描画(はくびょうが)とは白描画は、墨の筆線だけを主体として描かれた絵画を指します。墨を面的に使用し、暈ぼかしで濃淡・明暗を表現する「水墨画」とは、この点で区別されます。白描画には彩色を施す前の下絵、粉ふんぽん本と呼ばれる転写、素描なども含まれます。しかし西洋画におけるデッサンとは異なり、筆線そのものの表現力(骨法用筆)を鑑賞する所にその特質があります。中国では古く「白画」とよばれ、唐の呉ごどうげん道玄によって完成されたのち、北宋末には李りこうりん公麟によって復興されました。日本においても『麻まふぼさつ布菩薩像』、『鳥獣人物戯画』『隆たかふさきょうつやことば房卿艶詞絵えまき巻』『枕まくらのそうしえまき草子絵巻』などの作品が知られています。源氏物語では、室町時代の白描絵巻が十数点確認されています。中でも、奈良慶福院の尼あまもんぜき門跡・花かおくぎょくえい屋玉栄(1526?1602年以降)による『白描源氏物語絵巻』は、源氏研究が男性貴族に独占されていた時代に、女性による女性のための解説書として貴重な作品です。この伝統の上に、江戸時代のベストセラー『絵入源氏物語』(1650年)が生み出され、源氏物語の読者は庶民・女性にも広がっていきました。安沢阿弥画伯が、古式ゆかしく新たな精神で甦らせた、平成の白描源氏絵巻を、どうぞ心ゆくまでご堪能ください。