ブックタイトル白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
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白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
123朱すざくてい雀帝お人好しの兄桐壺帝の第一皇子。源氏の異母兄。母は右大臣家の弘こきでんのたいごう徽殿大后。朧月夜の裏切りを知りながら許したのも、帝自身、美しい弟を愛していたのが理由のようです。最愛の女三の宮の前途を憂え、源氏の正妻とします。冷れいぜいてい泉帝名乗れぬ親子桐壺帝の第十皇子、実は源氏と藤壺中宮の不義の子。父に生き写しの美貌の持ち主。母の藤壺の死後、僧都から出生の秘密を知らされ、父を臣下としてきた不孝に衝撃を受けます。父源氏に譲位しようとして、止められています。頭とうのちゅうじょう中将親友でライバル左大臣の長男。母は大宮、源氏の最初の正妻・葵の上の兄。柏かしわぎ木、紅こうばい梅、弘こきでんのにょうご徽殿女御、雲くもいのかり居雁、近江の君の父。須磨に源氏を訪ねるなど、友情に厚く律儀な一面も。一時は源氏と対立しますが和解、最後は太政大臣となります。【子供達の世代】夕ゆうぎり霧親に似ぬ律儀者光源氏の長男、母は葵の上。頭とうのちゅうじょう中将の娘・雲くもいのかり居雁と幼き恋を育み、ひき裂かれますが、後に夫人とします。その後、親友の柏木の遺妻・落葉の宮に恋慕し、強いて妻とします。真面目で律儀、女性に不器用な性格は、母方の左大臣家の血筋でしょうか。明あかしのちゅうぐう石中宮国母となる光源氏の娘、母は明石の君。紫の上を養母として育ちます。今上帝の中宮となり、春宮、匂宮、女一の宮を産みます。「宇治十帖」ではいつまでも身を固めようとしない匂宮の行状を心配しています。玉たまかづら鬘流浪のシンデレラ父は頭とうのちゅうじょう中将、母は夕顔。母の急死後、乳めのと母夫婦とともに筑紫に下向、数奇な巡り合わせから源氏の養女に。源氏秘蔵の姫君として貴公子の注目の的となりますが、髭黒大将が強引にわがものに。「竹河」の姫君たちは玉鬘の娘たちです。雲くもいのかり居雁初恋はかなえど……頭とうのちゅうじょう中将の娘。両親が別れたため、祖母の大宮のもとで夕霧と共に養育されるうちに恋仲に。一時引き離されますが、無事ふたりは結婚します。しかし、夫が落葉の宮に心を移したため、結婚生活の危機を体験します。柏かしわぎ木死に至る恋頭とうのちゅうじょう中将の嫡男。源氏の幼な妻・女三の宮に恋いこがれ続け、部屋に押し入り、思いを遂げます。その結果、宮は薫を妊娠。この事実を知った源氏の痛烈な皮肉に追い詰められ、死の床につきます。髭ひげくろ黒中年の恋で熟年離婚源氏、内大臣(頭とうのちゅうじょう中将)に次ぐ実力者。北の方は紫の上の異母姉。源氏の養女・玉鬘に求婚して強引にわがものにします。北の方はこの不実にご乱心、火取りの灰を浴びせかけました。【宇治十帖の登場人物】薫かおる貴公子の憂鬱第三部の主人公。女三の宮と柏木の不義の子(表向きは源氏の二男)。生まれつき身体からよい香りがするため、「薫中将」と称せられました。幼い頃から自分の出生に疑惑を持っており、厭世的で仏道生活に憧れています。宇治の姫君たちを恋慕しますが、その恋はどれもかないませんでした。匂におうのみや宮憎みきれないお坊ちゃん今上帝と明石中宮の第三皇子。薫に対抗して焚物に凝ったため「匂におうひょうぶきょう兵部卿」と称されました。宇治の中の君を妻とした後、夕霧の六の君を北の方に迎えます。浮舟を薫から奪うなど、奔放なプレイボーイですが、どこか憎みきれないのは、祖母の紫の上に溺愛されて育ったせいでしょうか。大おおいぎみ君結婚を拒みぬく八の宮の長女、母は大臣の娘。父宮の遺言を守り、薫の求婚をかたくなに拒み通します。中の宮に対する匂宮のつれない態度に悲観し、病を重くして帰らぬ人に。死因は拒食症(神経性食欲不振症)だったと思われます。中なかの君きみ可憐な妹八の宮の二女、大君と同母。匂宮の妻室として二条院に迎えられます。薫の横恋慕に悩み、異母妹・浮舟の存在を知らせて、その求愛から逃れます。匂宮の長男を出産してからは立場も安定し、結婚生活も仲むつまじかったようです。浮うきふね舟流転から自覚へ八の宮が女房に生ませた娘。しかし宮には認知されなかったため、母は結婚、養父の任地先の陸奥国・常陸国で育ちます。薫と匂宮の板ばさみになり、入水を決意しますが、横川の僧都に助けられ出家。自覚を深め、薫との復縁を拒否、最後には自立した女性の生き方を示します。