ブックタイトル白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
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白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
藤壺の宮は不義の子を身籠もってしまいます。許されぬ恋のはてに、「でもそれは覚めることのない悪夢だわ」「このまま夢のなかへ消えてしまいたい――」その一方で、源氏の君は藤壺の宮と夢のような逢瀬をもちます。すでに源氏の君が強引に連れ去った後でした。北山の尼君が亡くなり、父君の兵部卿が、姫君を引き取ろうとすると、自分の側に置いて、理想の女性としてお育てになりたいと考え始めます。源氏の君は、若紫の姫君が、藤壺の宮の姪であることを知ると、おばあさまの尼君の許でさびしく暮らしていたのです。母君を亡くしてからは、継母の北の方から疎まれ、姫君には、兵部卿という父君がおありなのですが、最愛の妻となる、若紫の姫君(紫の上)との出会いです。そこで、藤ふじ壺つぼの宮にうり二つの美少女を垣間見ました。北山のお寺にお出かけになりました。春、瘧わらわ病にかかった源氏の君は、加持祈祷を受けるために、やみちゃんとかごにいれておいたのに……」(若紫)「雀の子を、いぬきが逃がしてしまったの。籠こめたりつるものを……伏ふ籠せごの中に、雀の子を、犬いぬ君きが逃がしつる。若第五帖紫わかむらさきWaka-Murasakiわらわやみ●瘧病(わらわやみ)。童病・草ぶるいとも。一定の周期で発熱し、悪寒やふるえが起こる。●北山の寺岩倉大雲寺か。加持祈祷で有名な寺で、紫式部ゆかりの寺とされる。●犬君若紫の遊び相手の女童。いぬき16