ブックタイトル白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
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白描源氏物語│富士精版印刷株式会社
近づけば消えてしまうものなのでしょうか。恋はあの伝説の帚はは木きぎのように、空蝉は源氏の君に溺れまいと再び逢うことを拒みます。源氏の君は空蝉をかき口説き、強引に契りを結びますが、空蝉こそは、まさに中の品の女。伊予介の若い後妻・空うつ蝉せみと出会います。この雨夜の品定めの後、方かた違たがえで立ち寄った訪問先で、思わず聞き入ってしまうのでした。中なかの品しな(中流階級)に、思いもかけない女性がいるという意見には、源氏の君は藤壺の宮以上の女性はいないと考えながらも、恋愛論に結婚論、女性遍歴、話題は尽きることがありません。浮き名を流す好き者ぞろいだけあって、夜を徹して、女の品定めの談議に興じます。五さ月みだ雨れの続く夜、と頭うの中ちゅう将じょ、う左さま馬の頭かみ、藤とうし式部丞らと、きぶのじょう元服から五年、源氏の君は、中将になっておられました。まったく、女には聞き捨てならない話ばかりですわ。[雨夜の品定め]好き者の公達がたが、女の品定めでお熱くなって。いと、聞き憎きこと多かり。わきまへ定め争ふ。この品々を、帚第二帖木ははきぎHahakigi●方違え陰陽道で、外出するときに天一神・金神などのいる方角を凶として避け、前夜、他の方角で一泊してから目的地に行くこと。●帚木伝説の木。遠くからはあるように見えるが、近づくと見えなくなるという。10