公開日:2025年2月27日 / 最終更新日:2025年2月27日
CATEGORY:メールマガジン
【メルマガVol.39】測ることから、はじめました
いつもお世話になっております。
人事総務グループの清水と申します。
普段はバックオフィスで会社を支える立場にありますが、今回はどうしても皆さまにお伝えしたいことがありメルマガを担当することになりました。
そんな私から、突然のクイズです。
「5tCO2」
これは一体何の数値でしょう?
答えは、「当社が2025年1月に購入したUVインキ約1.2トンが製造される際に排出された温室効果ガスを二酸化炭素(以下CO2)の重量に換算した値」でした!
正解された方、おめでとうございます。
とても難しい問題だったかと思いますので、もう少し詳しく説明しますね。
当社では2023年から、地球温暖化の原因のひとつである温室効果ガス(GHG)を削減するための第一歩として、GHGの中で最も割合の多いCO2を基準とした排出量を測り始めたのです。
日本では「地球温暖化対策推進法」という法律が定められており、温室効果ガスを多く排出する事業者(特定事業所排出者)は、自社のGHG排出量を算定し国に報告することが義務付けられています。当社は特定事業所排出者に該当するわけではありませんが、これまでも環境配慮への取り組みを継続的かつ積極的に行ってきたことから、GHGの削減に向けていち早くアクションを起こし、将来のニーズに対応できる企業として成長するために何かできることはないかと考えた結果、「まずはGHG排出量を算定できるようになろう」という目標を設定しました。
算定の実務を行っているのが、私が所属している人事総務グループと、財務経理グループです。GHG排出量は、その活動に関連する数値データ(原材料の使用量や金額、燃料の消費量等)を収集し、集まったデータに各々の排出係数を掛け合わせて算定しています。
また、GHG排出量の算定には測定範囲というものがあり、以下の3つに分類されます。
Scope1 自社の事業活動における直接的な排出
Scope2 他社から供給された電気、燃料の使用により発生する間接的な排出(自社が購入し使用した分)
Scope3 Scope1・2に当てはまらない、自社の活動に関連する他社(サプライチェーン)の排出
当社は、Scope3までの算定に日々試行錯誤しながら挑戦しています。これは中小企業としては稀なケースと言えるでしょう。
Scope3に関しては、測定の対象がサプライチェーンの上流(原材料の仕入れ等)から下流(販売、廃棄等)まで多岐にわたるため、排出量の算定にはさまざまな部署との協力やサプライチェーンとの情報共有が不可欠です。さらに、Scope3には算定方法が明確に決まっていない部分もあるため、実際に使用するデータの選定から、客観的かつ根拠のある係数と筋の通った算定方法を自社で組み上げる必要があります。まだまだ不慣れな部分もありますが、担当するメンバーで知識を共有しながら一生懸命がんばっているのです。
GHG排出量の算定に使用するデータの正確さにもこだわっています。たとえば、当社が扱うもので比重が高い「紙」、「インキ」、「CTP版」のGHG排出量の算定には「金額」ではなく、より厳密で正確な数値を得られる「重量」を用いています。ものによっては、この「重量」を求めるために複雑な計算が必要な場合もあります。
会社でGHG排出量測定を始めるにあたり、私はふとダイエットのことを思い出しました。急に「減らそう!」と努力しても、そう簡単に結果は出ませんよね。
大切なのは、現状を正しく把握すること。そうすることで、より健康的に、より計画的な減量に取り組めるわけです。
GHG排出量の削減は、近い将来には企業が果たす社会的責任となり、その対象はサプライチェーン全体に広がっていくと考えられています。それまでに当社はScope3までの算定方法を確立し、排出量のデータを蓄積していくことが、GHG削減という大きな目標を達成する第一段階であると捉えています。
それと同時に、算定に使用する数値データの正確さ、厳密さにもこだわることで、排出量の精度だけでなく地球環境への取り組みを堅実に行う企業としての姿勢や信頼にもつながればと思っています。
だから私たちは、これからも測り続けます!
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