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公開日:2022年9月1日 / 最終更新日:2022年10月3日
CATEGORY:メールマガジン
【メルマガVol.9】印刷用紙の選び方 〜上質紙編〜
いつもお世話になっております。
富士精版印刷 メルマガ担当の足立です。
今月は、弊社の紙選びのプロフェッショナルから聞いた、
知っておくと便利な用紙の話
です。
先月、8月のメルマガでは、「用紙の種類と選び方」をご紹介しました。
(バックナンバーご希望の方は、担当営業、
または下記の「お問い合わせフォーム」よりお申し付けください。)
今回は、8月にご紹介した富士精版印刷でよく利用している紙トップ3から、
「上質紙」についてお話しします。
と、その前に…。
用紙選びは「使用用途」を明確にすることがポイントになります。
どのような場所で使用して、どのような印象を
持ってもらいたいのかを考えた上で選ぶ必要があります。
さらに、“ノックアウトファクター“
(=これがなければ始まらない!要素)も押さえておく必要があります。
例えば、ノートは書き込むことができないと、ノートとして機能しません。
ツヤツヤした紙が美しいからといって、
コーティング加工が施された「コート紙」を選んでしまうと、
ボールペンや鉛筆では書き込むことができなくなります。
では、
書き込むことに適した紙とは何でしょうか。
それが、今回ご紹介する「上質紙」です。
印刷に使われる紙は、大きく分けて、
「コート紙」(紙の表面にコート剤が塗られている)と
「ノーコート紙」(塗られていない)に分類されます。
今回の上質紙はノーコート紙の中の1品種となります。
ノーコート紙は、紙の白さを表す「白色度」
(光の反射の度合いを計測した数値)の違いによって、
上質紙、中質紙(市町村の広報等のグレーの紙)、
下級紙(ざら紙、昔はわら半紙とも呼ばれていました)の3つに分かれています。
ノーコート紙の中で、一番白色度の高い紙が上質紙です。
見た目の白さから、印刷物に対する汎用性も高く、
みなさんもよく目にされているはずです。
~原料について~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上質紙の原料はバージンパルプ100%(古紙パルプが入っていない)で、
白色度は75%以上と決められています。
ちなみに、中質紙は55~75%、下級紙は55%程度で、共に古紙パルプが入っています。
ところが、最近では環境に配慮して、古紙パルプを配合し、
白色度をやや落した「再生上質紙」も一部出てきており、
用途や目的に応じて選択されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上質紙は、表面にコート層がないため、印刷しても光沢やテカリがほとんど出ません。
したがって、文字を読むときに紙面がテカテカせず、
目が疲れにくいことから、教科書や書籍等に適しています。
また、筆記性に優れていて、ボールペンや鉛筆など、筆記具を選ばずに書けるので、
申し込み用紙やハガキ、カレンダーなどにも広く使用されています。
では、
なぜ上質紙は筆記性に優れているのでしょうか?
その理由は、紙を拡大ルーペで見てみると、表面がデコボコ状になっているため、
その凹凸にボールペンのインクや鉛筆の黒鉛がうまく留まってくれるからなのです。
そのため、上質紙はインキが沈み、光沢やツヤが出ず、
写真が多く再現性を求められるような印刷物や、
高精細のカラー印刷が必要な印刷にはお勧めできません。
ところで、オフィスなどで使われるコピー用紙は、見た目は上質紙に似ていますが、
用途が違うものなので、紙の業界では別のものとして取り扱われています。
富士精版印刷では、
紙選びのプロフェッショナル
が皆さまをお待ちしています。
使用用途と求められる色調や発色に合わせて、ご提案させていただきます。
「紙一重の差」で制作物の印象は激変します。
実際に紙を触ってみて、印象の違いを体感してみませんか。
お気軽にお問い合わせください。