ようこそ印刷工場へ
【大阪工場】
ひたすら技術の向上を求めて。
たゆまぬ挑戦から生まれた信頼と実績。
当社は、1950年の創立以来、主に製薬メーカーと取引させていただいてきました。薬品情報・医学情報では一文字のミスが人命に関わり、重大な事故につながります。このため当社は「技術向上第一主義」を掲げ、ひたすら技術の向上を求めて取り組んできました。
たとえば、医学書のレントゲン写真。胃部や肺に小さなピンホールや汚れがあると、病状を示す影のように誤認されかねません。こうしたミスを防止するため、印刷現場はもとより、前工程の製版・刷版から、印刷後の検品体制まで、いかなるミスも許さない品質管理体制を構築してきました。「完全棒積み1万枚」「常温ワンウェイシステム」など業界初めてのオリジナル技術も、オペレーターたちのたゆまぬ挑戦から生み出されてきたものです。
こうした正確さや精密さを求められる印刷技術と品質管理が、当社のベースとなり、現在では百貨店・アパレル・ジュエリー・コスメ・舞台芸術など、本物志向・高級志向のお客様から多くのご支持をいただいています。
- オフセット印刷とは
- オフセット印刷は、書籍からパンフレット・カタログ・ポスター・チラシ・パッケージまで、世の中で幅広く使用されている、一番ポピュラーな印刷方式です。印刷の版面に凹凸がなくほぼ平らなため、「平版印刷」(へいはんいんさつ)ともいわれます。
この平版印刷の始まりは、ロートレックのポスターなどで有名な石版画(リトグラフ)です。平版印刷の版材も、石版から亜鉛版、そして「PS版」といわれるアルミニウム版へと進化していきました。
PS版の表面には感光剤が塗られており、感光させて現像すると「水をのせやすい部分」(親水部)と「水をはじく部分(撥水部:はっすいぶ)」ができるように加工されています。この版を水で濡らした後にインキをつけると、水と油の反撥の原理で、「水をはじく部分」にだけインキが残ります。オフセット印刷はこの性質を利用して印刷を行います。
しかし、この水で濡れた版で、紙に直接印刷するわけにはいきません。このため、水が直に紙に付かないように、いったんインキをゴムの胴に転写(オフ)してから、紙に印刷(セット)するという、間接的な方法が採用されています。これが「オフセット」(offset)と呼ばれている理由です。
オフセット印刷のメリットは、版が直接紙に触れないため、活版印刷・木版印刷などと違って、版の磨耗・劣化が少ないことです。このため大量かつ正確な情報の複製に向いており、インターネットが登場した今も、情報コミュニーションの根幹を支えています。 《ディヴァン・ジャポネ》ロートレック(1892年)
枚葉印刷
とは
オフセット印刷には、カットされた紙に印刷する枚葉(まいよう)印刷と、ロール紙に印刷する輪転印刷の2種類があります。
「枚」も「葉」も、紙や木の葉など、「1枚」「1葉」と薄いものを数えるための単位です。カットされた紙に印刷するので、「枚葉印刷」といわれています。大阪工場には枚葉印刷機を3台備えています。
【市島工場】
高品質を約束する、
人と環境にやさしいオフセット輪転印刷工場
市島工場は、1993年に設立された当社の主力工場です。当社は1985年(昭和60年)にオフセット輪転1号機を導入しましたが、急成長した通販カタログの需要拡大に伴い、兵庫県氷上郡市島町(現・丹波市)に用地を取得、新工場建設に至ったものです。
1993年5月に完成した工場の開発コンセプトは「人のためにも印刷物のためにも最適な作業環境づくり」。特に騒音と室内温度には、これまでの経験を活かし、作業環境の改善が図られ、現在も「静かで快適な工場」と高い評価を受ける先進的なオフ輪工場が誕生しました。
湿し水の冷却・排水をなくした「常温ワンウェイシステム」も、市島工場で初めて実現しました。当社のこのオリジナル技術は、汚れの出ない極限値まで水を絞ることによってインキの性能を最大限に引き出す品質向上、電力費カットのコスト削減、さらに環境負荷低減の要請に応えたものです。
市島工場は、丹波の美しい自然を次代に残す「人と環境にやさしい印刷工場」をめざして、技術革新に挑戦してまいります。
- 市島工場の強み
- 高速・大量生産をメリットとするオフセット輪転印刷で、さらに高度な品質保証・環境保全対策を実現したのが市島工場の強みです。A横全判オフセット輪転機2台の設備は、ミシン入れ加工・折り加工・各種加工をインラインで備えて、カタログづくりのあらゆるニーズにお応えしています。
また、主力機のシステム38S(A横全判輪転機)には、関西では初めてコモリハイパーシステムAI(自己学習機能システム)を搭載。業界でもいち早くAIを活用することにより、さらなる高品質化・短納期化・小ロット対応を実現しています。
[コモリハイパーシステムAIの特長]
- ①プリセットデータをネットワーク経由で受信、絵柄に合ったインキ被膜を形成。
- ②絵柄にあったインキ供給で、素早い見当合わせ・色合わせ。仕事の切替時間・損紙を大幅に低減。
- ③機械の状態・作業環境・印刷資材の変化に合わせた自己学習機能により、各種データを最適化。
- ④折り仕様の変更までも自動的に制御、印刷準備時間を大幅に短縮。
- ⑤ジョブ管理、稼動記録・保守データなども自動的に分析し生産性向上。
- ⑥トラブル回避のための自己診断機能。
輪転印刷
とは
カットされた紙に印刷するのが枚葉(まいよう)印刷、ロール紙に印刷するのが輪転印刷です。このロール紙は「巻物」を意味する「ウェブ」とも呼ばれます。高速で回転し、枚葉印刷機の数倍の速度で印刷することができます。