ようこそプリプレスへ
プリプレス(製版)について
プリプレス(Prepress)とは、印刷機(プレス)にかける前段階(Pre-)で、印刷版を作成する「製版工程」のことをいいます。版画でいえば、下絵(デザイン)に従って、版木を彫っていく作業にあたります。
【フォトレタッチ編】
クリエイターに支持される理由。
フォトレタッチの「匠の技」。
デジタルを
アナログに
DTPソフトの機能が高度化するにつれて、デザインはより自由で高度な表現が可能になりました。しかしモニタやプリンタで確認できるのは、あくまでも平面上の二次元情報にすぎません。紙の本は用紙を折って綴じて切って完成する、三次元の立体物です。背表紙のある無線綴じのカタログと、中綴じのパンフレットでは、面付けも変えなくてはいけません。上質紙とコート紙では、同じ写真でもインキの発色が異なります。
お客様のイメージどおりの印刷物を完成するためには、印刷結果を事前にシミュレーションし、DTPデータの編集・設計を行う必要があります。プリプレス部では、お客様・クリエイターと印刷工場を結ぶセンター役として、デジタルデータを「紙メディア」という立体物にアナログ変換するためのさまざまな作業を行っています。
ここでは商業印刷では欠かせない「フォトレタッチ」の技術について紹介します。
フォトレタッチを極める
デジタルの時代になっても、「職人の技」が今も生きています。それが「フォトレタッチ」と呼ばれる画像処理技術です。その高い技術が、クリエイターに支持されてきた当社の大きな強みです。以下に代表的な事例を紹介いたします。
- 切り抜き
- 最も基本的で、最も一般的なレタッチ作業です。商品写真などで、見せたい物だけを残して、背景などを消してしまう作業です。たくさんの商品写真を掲載するカタログ・パンレフットなどでは、切り抜きを行うことでデザインの統一したイメージを保つことができます。
- 消去・移植
- 建物を撮影した場合、電柱や電線、人物・自転車・自動販売機などの不要物が写り込んでしまうことがあります。こうした不要物を、フォトレタッチにて消去・移植を行います。ビルの窓ガラスへの映り込みを青空に差し替えるなどの修正はよく行われています。
- 色変換
- カタログの制作段階では、新製品がまだ完成していない場合もあります。現行商品を新色に差し替えることもよく行われています。
- カラー復元
- モノクロで撮影した写真や、退色・変色してしまった古いカラー写真も、フォトレタッチ処理によりカラーを復元することができます。
- 合成処理
- 合成処理を施せば、撮影だけでは実現できないビジュアルも作り出すことができます。
適切なCMYK変換を
デジタルカメラで撮影した画像が、パソコンで見た時にはきれいだったのに、印刷したら色が悪くなったという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
デジタルカメラで撮影した画像データはRGB(レッド・グリーン・ブルー)の3色です。しかし印刷はCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色のインキで印刷します。適切なCMYK変換が行われていなければ、印刷した時にイメージどおりの仕上がりにはなりません。
CMYKベースの紙メディアと、RGBベースのWebメディアで、同じ写真を用いることも今や当たり前です。紙とWebでも統一したカラーイメージを保つためにも、CMYK変換処理はプロにお任せください。
【入稿編】
安全で正確なデータ出力のために。
安心の入稿システム。
入稿システムに
ついて
多目的サーバー・インサイトをぜひご利用ください。お客様、デザイン会社、当社で印刷ジョブを共有することで、クラウド上でいつでもどこでも校正が行なえ、仕事の進捗状況も把握できます。
[インサイトシステムの主な特長]
- データ送受信
- コンテンツ修正履歴管理
- オート検版機能
- アクセス権限の設定
- リモートプルーフ
- Web受発注
[対応ソフト]
AdobeIllustrator、AdobeInDesign、
AdobePhotoshop
- [対応バージョン]
- CC2020以降
※CC2019以前のバージョン、Windows版についてはご相談ください。 - [PDF]
- PDF/X-1a、PDF/X-4または
各メーカーRIP処理後のPDF
※詳しくはお問い合わせください。
- [1bit TIFF]
- 圧縮形式:G4またはLZW
※詳しくはお問い合わせください
(刷版からのお客様向けデータ規格です) - [Microsoft Office]
- ※詳しくはご相談ください(原則としてPDF変換の上で製版作業を行います)
【出力編】
デザイン・製版・印刷で一貫した、
カラーマネジメントとデジタル検版体制。
信頼の
カラーマネジメント
モニタ、スキャナ、デジタルカメラ、インクジェット、オフセット印刷機は、それぞれ異なったカラー範囲(色域と呼ばれます)を持っています。当社では工場のオフセット印刷機の色調基準(ターゲットデータ)から得られたプロファイルを各デバイス(出力機)に割当て、クリエイティブ・プリプレス・撮影スタジオの各部門でカラーの一貫性を保つカラーマネジメント体制を確立しています。
モニタとインクジェット色校正と印刷物の色にブレはほとんどなく⊿E1以内を実現させています。また東京支店には大阪本社と同じ基準に基づいたインクジェット出力機を備えており、遠隔地でも色を正しく確認できるモニタープルーフを実運用しています。
- ※⊿E(色差)・・・
- L*a*b* 色空間上の2点間の距離で表す規定。
国際照明委員会CIEが定めるJapan Color2007の標準印刷色特性値の許容幅は、CMYKともに⊿E5以内とされています。
カラープルーフについて
デザイン段階から印刷の最終工程までの「正しい色の基準」となるカラープルーフ(色校正)には、以下の3種類があります。
- DDCP(Direct Digital Color Proofing)
- デジタルプルーフは、製版データから直接カラープルーフ(色校正)を出力するものです。当社が採用するファインジェットプルーファーは、「優れたカラーマッチング精度」「高度な近似網点」「正確な特色再現」「リモートプルーフ対応」などの先進性・信頼性を備えた次世代DDCPです。
- 本紙校正(平台校正)
- 「平台校正機」(ひらだいこうせいき)と呼ばれる色校正専用機を用いて刷り上げた色校正です。オフセット印刷では古くから行われています。本番の印刷と同じ紙(本紙)とインキを使用する手法で、実際に近い刷り上がりを再現できます。上質系・マット系の用紙など乾燥後に色が変わりやすい紙を使用する場合、ポスターや製品カタログなど色にシビアな印刷物には本紙校正をおすすめします。
- 本機校正
- 本番の用紙を使うだけでなく、実際に印刷するオフセット印刷機(本機)によって製作された色校正です。ほぼ本番と同様の刷り上がり結果を得ることができます。高精度・高精密の印刷物には本機校正をおすすめします。
- デジタル検版システム
- プリプレスではDTP→製版→CTPと進む工程の中で、データがきちんと訂正されているか、訂正箇所は間違っていないかという判断をする検版システムです。これにより検版精度の向上・安定化によりヒューマンエラーの根絶に取り組んでいます。
印刷現場にもプリプレス部門と同じく特大スキャナを設置して、刷り出した印刷物と刷版データ、印刷原稿との比較検査を実施しています。これは「刷版時に生じた傷」「印刷原稿と刷版作成データの不一致」など運搬トラブルや情報伝達のミス等により生じる印刷事故の防止に貢献しています。
CTPについて
CTPとは、Computer To Plate の略で、コンピュータからプレートセッタという機械を通して、直接刷版を作成する仕組みです。印刷の本番用の刷版ばかりでなく、色校正(本紙校正・本機校正)を印刷するための刷版も、CTPを用いて出力されています。
アナログ時代は、フィルムからPS版に焼き付ける作業が必要でした(社員インタビューで詳しく読む)。CTPでは直接レーザ光線で刷版に焼き付けるため、網点の太りやかすれが減少し、フィルム製版では困難だった5%以下の網点による高精細な表現が可能になりました。当社では、Kodak Magnus Q800が昼夜稼働しています。
[CTPのワークフローシステム]
- ●RIPシステム
- Kodak Prinergy Workflow System
- Preps(PDF用面付け)
- KodakInsitePrepressPortal/
- Creative Workflow(Webシステム)
- ●1Bit tiff
- 株式会社GTB Bit-Throughシリーズ
- PlatePlanner(面付け)
- DotAdjuster(刷版カーブ調整)
- CIP3Generator
- (インキ壺コントロール情報[PPF]ファイルを生成)
CTPの印刷版は、現像液を使わない無処理版を使用しています。オフセット印刷の常温ワンウェイシステムとならんで、プリプレスも環境にやさしいシステムで運用しています。