富士精版カレンダー 椿・薬用草木
CATEGORY:椿・薬用草木
2021年『椿』カレンダー・解説
明るく素朴な花のすがたが、可憐な村娘を思わせます。京都の宝鏡寺(ほうきょうじ/通称“人形寺 にんぎょうでら”)に原木があります。
原木は名古屋城本丸庭園にあった「御殿ツバキ」です。原木は戦災で失われましたが、密かに持ち出されたものが新たに命名され今に伝わります。
肥後椿の一種です。おしべが武士の母衣(ほろ)のように変形するものがあり、母衣を背負って登場する『平家物語』の熊谷直実(くまがいなおざね)の名が付けられました。
金沢原産で、戦後に見出された現代ツバキです。木偏に春と書いてツバキ。厳しい冬に耐えて、可憐な花を咲かせて春を告げるユキツバキの名品です。
淡いピンク地で、乙女椿によく似ていますが、ひときわ強い紅模様の竪(たて)絞りが入ることからその名があります。ユキツバキ系の品種です。
世界遺産に登録された仁和寺にある尊壽院で植栽されてきた、由緒ある古典ツバキです。大ぶりであでやかな半八重の桃色の花を咲かせます。
ユキツバキ系の現代品種です。白い一重咲きの大輪の花が、古来和歌に詠まれてきた浜千鳥の姿を思わせるところから、この名が付けられました。
江戸末期からの古典品種です。淡いピンク地に紅色の吹きかけや絞りが入る絶妙な配色、花弁が三重になりカップのように丸く開いて咲く姿は、まさに自然の芸術です。
赤紅色地に、糊をこぼしたような白斑(はくはん)が入ります。東大寺開山堂に原木があり、伝香寺の散り椿、白毫寺(びゃくごうじ)の五色椿(ごしきつばき)と並ぶ大和三銘椿(やまとさんめいちん)とされます。
ヤブツバキ系の古典品種で、北陸ツバキを代表する名花です。ラッパ状の花の姿を谷間のねぐらで休む鶴に見立てた命名で、茶席用に珍重されてきました。
可憐で純真無垢な白い花の印象から命名されました。原産地は富山県でユキツバキ系です。4月上旬~5月中旬のやや晩咲きです。
紅地に白斑(はくはん)が入る姿は、太陽、月、星の天体が交わる幽玄の世界を思わせます。太く長い雄しべが放射状に広がる、肥後ツバキの代表品種です。
富山県で発見された、典型的なユキツバキの特徴を備えた現代品種です。花の形がコブシに似ていることからその名がつきました。