枚葉印刷と輪転印刷の特性
メリット・デメリットのご紹介
速 度
枚葉印刷
- H-UVシステム方式
- 油性インキ方式
- 1時間11,000回転
輪転印刷
1時間36,000回転
印刷用紙
枚葉印刷
- H-UVシステム方式
- ■紙厚 0.05/mm~0.5/mm程度が可能(相談)
- ■一般紙・合成紙・蒸着紙など適合
- 油性インキ方式
- ■紙厚 0.05/mm~0.5/mm程度が可能(相談)
- ■一般紙・合成紙・蒸着紙など適合
輪転印刷
■0.05(A判 28.5kg)〜0.12/mm(A判 70.5kg)薄紙は要相談
■用紙銘柄が限定される
乾燥
枚葉印刷
- H-UVシステム方式
- ■瞬時に硬化するため擦れにくい。
- 油性インキ方式
- ■乾燥まで数時間〜数日かかる。
- ■乾燥しても擦れなど起こしやすい。
輪転印刷
■速乾性ではあるが完全乾燥ではないため、まれに擦れが発生する。(特にマットコート紙)
用紙の伸縮
枚葉印刷
- H-UVシステム方式
- ■ほぼ一般枚葉機と変わらない(用紙による差異はある)。
- ※従来型のUV機は熱が発生するため伸縮が大きいので注意(社外)。
- 油性インキ方式
- ■湿度、用紙種類で伸縮変化はあるが比較的少ない。
- ■コート紙などに比較して中質紙は伸縮が大きい。
輪転印刷
■170~220℃の熱風をかけて乾燥させるため、伸縮幅は非常に大きい(紙面温度約110℃前後)。(熱をかけると縮む、その後外気湿度によって伸びる)(用紙や環境によって5/mm以上の伸縮がある)
波打ち
枚葉印刷
- H-UVシステム方式
- ■枚葉(油性インキ方式)と比較してやや大きい。
- 油性インキ方式
- ■環境(湿度、用紙など)で発生するが比較的少ない。
輪転印刷
■絵柄の多い場合に多く見られる。
■湿度が高い梅雨時などに発生しやすい。
ブリスター
枚葉印刷
- H-UVシステム方式
- 油性インキ方式
- 発生しない。
輪転印刷
■両面にベタが多い場合発生する。原因:ドライヤー温度・用紙・絵柄
枚葉印刷
H-UVシステム方式のメリット・デメリット
メリット
- ①すぐに加工ができる。
- ②油性インキ方式・輪転と比較して擦れにくい。
- ③加工でのトラブルが少ない(パウダーなし・完全乾燥)。
- ④輪転と比較して波打ち・伸縮が少ない。
- ⑤合成紙(ユポ)・蒸着紙(アルグラス)など特殊紙にも印刷できる。
デメリット
- ①油性インキ方式と比較してコストがかかる。
- ②特色などはインキ手配に時間がかかる。
- ③特色などは印刷に向いていないインキがある(蛍光色・金銀など)。
- ④油性インキ方式と比較して上質紙など浸透する用紙は光沢が出すぎる場合がある。
- ⑤A<35>kg以下の用紙は印刷に向かない。
油性インキ方式のメリット・デメリット
メリット
- ①主流であるため対応がしやすい。
- ②インキが安い。
- ③色調子が安定しやすい。
(H-UVシステム方式・輪転との比較) - ④輪転と比較して波打ち・伸縮が少ない。
デメリット
- ①擦れやすい。
- ②乾燥が遅く、ベタが多いとブロッキングを起こしやすい。
- ③スプレーパウダー
(ブロッキング防止剤)で光沢不良、ザラツキが出る。 - ④A<35>kg以下の用紙は印刷に向かない。
輪転印刷
輪転印刷のメリット・デメリット
メリット
- ①すぐに加工ができる。
- ②ロングロットになるほど低コストでできる。
- ③8P折り・16P折り・A5パラレル折り(A5×16P 2丁付)・24デルタ折りなど多様な折り加工がインラインで可能。製本コストを抑え納期も早くできる(中綴じ・無線綴じ)。
- ④枚葉機よりも薄紙に対応が可能。
- ⑤枚葉機より光沢がある
(擦れ防止でシリコン被塗)。
デメリット
- ①表紙が枚葉、本文が輪転の場合は断裁後に本文が伸びるため化粧断ちが必要になる。
- ②製本後に本が波打ちを起こしたり、火じわ・針ヌケ・背割れ・折割れが発生しやすい(水分の不均一など)。
- ③両面ともベタの場合、用紙によってはブリスターが出やすい。
- ④色が安定するまで枚葉よりは時間がかかるため、印刷ロスが枚葉に比較して多く必要になる。
- ⑤表面加工・刷り込みには向かない(シリコン被塗)。