富士精版カレンダー 椿・薬用草木
CATEGORY:椿・薬用草木
2020年『椿』カレンダー・解説
梅の花のような爽やかな香りを持つのが特徴です。サザンカとツバキとの自然交配でできた、ハルサザンカの一種とされています。
絶世の美女・小野小町(おののこまち)にちなんだ名前です。古くからの肥後椿の品種で、その優美な色彩には、たくさんの愛好家がいます。
臘月(ろうげつ)とは旧暦12月のことで、12月下旬から3月下旬にかけて花を咲かせます。白地に淡紅(あわくれない)の縦絞りが入り、雄しべは筒形(つつがた)で、花粉を入れる袋状の器官、「葯」(やく)が大きく目立ちます。
おしべ全体が花弁のように変形したツバキを「唐子咲き(からこさき)」といいます。濃紅色(こいべにいろ)の花弁に映える白いおしべを月の光になぞらえて、別名「月光」(がっこう)と呼ばれています。
「春は曙」というように、古くから正月の茶席の花として、定番になってきたツバキです。千利休(せんのりきゅう)ゆかりの京都、大徳寺(だいとくじ)にある大樹が有名です。
朱紅色の花弁が同色の花芯を赤く燃える太陽にたとえて、別名「日光」(じっこう)と呼ばれています。3月の「月光」(がっこう)とペアのツバキです。
九重は、物が九つに重なることの他に、「九門に備(そな)う」の故事から、宮中や都を意味します。仏教の宝である宝珠(ほうじゅ)を思わせる花の形が、王朝の雅(みやび)を思わせます。
1960年、富山県の掛畑で発見されました。花の美しさと、雪に耐えて春に開花する力強さを兼ね備えた、典型的なユキツバキの品種です。
日本海側の産地に生息するユキツバキ系の品種で、京都市伏見区桃山で発見されました。伏見は、茶の湯の栄えた桃山時代から椿の名所でした。
「桃鼓」という名前は、花弁の桃色と、和楽器の鼓(つづみ)に形が似ていることから付けられました。典型的なユキツバキ系の品種で、金沢市の住宅の庭から発見されました。
日本古来のヤブツバキ系の品種で、明るいピンク色が印象的です。笹鳴とは、冬のウグイスの「チャッ、チャッ」という地鳴(じな)きのことです。冬のウグイスのように、一足先に春を告げる早咲きの椿です。
美しい桃色が特徴のツバキですが、樹勢は極めて強く、ユキツバキ系ともいわれます。早咲きで11月下旬から開花し、5月上旬まで花を咲かせます。
白地に紅縦絞りの一重咲きのツバキです。花弁の端が内側に曲がり、花芯を包み込むような「抱え咲き」といわれる花の咲き方が特徴です。